レーズンエキスの起こし方
自家製酵母の起こし方にはさまざまな方法があります。まずはレーズン酵母を起こしてみましょう。
| 材料 | 分量 | |
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| レーズン | 100 g | |
| 砂糖 | 5 g | |
| 水(約25度) | 500 g | 
レーズンなどドライフルーツはオイルコーティングや酸化防止剤が含まれていないものを使います。 原材料を確かめましょう。
 酵母液が噴き出す場合があるので、上部に余裕のある大きめのビンを用意しましょう。
| 手順 | ||
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酵母液の底に溜まったオリも必ず混ぜて一緒に使いましょう。
| 保存 | ||
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                             冷蔵庫で保存し、1カ月を目安に使い切りましょう。  | 
                    
ティースプーン1杯程度の元気なレーズンエキスを、新たに起こすレーズンエキスに加えると、あっという間に発酵がおこり、時間短縮になります。
これをくり返すことで酵母の力が強くなり、失敗しにくい酵母液に育ちます。毎日焼いて酵母を使い続けることが成功のコツです。
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 1日目
                    レーズンがすべて沈み、水はほぼ透明なまま
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 2日目
                    レーズンが水を含んでふくらみ、水が色づきはじめる
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 3日目
                    レーズンが浮いてきて、ふたを開けると泡立つ
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 4日目
                    ほとんどのレーズンが浮き上がり、水は色づいて、ふたを開けると勢いよく泡立ったら完成
 
ドライフルーツの状態や季節によって発酵にかかる日数や様子は変わり、発酵が起こらない場合もあります。 1 週間ほど様子を見ても気泡が立たなければ、残念ながら失敗の可能性大。作り直した方が良いでしょう。
元種の作り方
レーズンの酵母液が完成したら、次は元種を作ります。
酵母液をそのまま使うよりも発酵力が強く、安定します。
                            発酵後には2 倍ほどにふくらむ
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1
                                    
フランスパン専用粉50g と、酵母液50g を茶こしに通しながらビンに入れ、粉っぽさがなくなるまで軽く混ぜる。
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2
                                    
あたたかい場所におき、倍の高さにふくらんだら冷蔵庫でひと晩寝かせる。
 
                            ひと晩おいて1 日目の発酵後よりしぼんだ状態から、さらに2 倍にふくらむ
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3
                                    
2 のビンに、1 日目と同じようにフランスパン専用粉50g と酵母液50g を加えて混ぜる。
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4
                                    
再びあたたかい場所におき、倍の高さにふくらんだら冷蔵庫でひと晩寝かせる。
 
                            表面に細かい気泡と、内部に大きな気泡ができる。
成功するとふたを開けた瞬間フルーツのふくよかな香りが広がる
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5
                                    
2日目と同じように4のビンにフランスパン専用粉50gと酵母液50gを加えて混ぜ、再びあたたかい場所におき、倍の高さにふくらんだら冷蔵庫でひと晩寝かせる。
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6
                                    
翌日から使用可能。
 
元種が少し残ったら、次のパン作りで必要な量になるよう粉と酵母液を1:1 で足して「かけつぎ」します。 次にパンを作るまで1 週間以上経つようなら元種は残さず使い切りましょう。
元種が1 日経っても表面がのっぺりとして気泡が小さいままの場合、かけつぎで加える酵母液を同量の水で薄め、その総量の0.8% 程度のモルトシロップを加えて発酵させます。 これでふくらんできたらリフレッシュ成功。ふくらまなければ、あきらめた方が良いでしょう。
例: 次の分量でかけつぎをする
 ・酵母液100g +水100g = 200g
 ・200g の0.8% =モルトシロップ1.6g
 ・粉200g
レシピ監修 / 小林千鶴
長野市で「粉門屋仔猫」を営む※。自家製酵母で作るパンのほか長野県産ワインや上質な調味料や食材を販売し、パン職人兼ソムリエとしてパンとワインのある食卓を提案している。
※2025年3月末に閉店。現在はsuiu nagano toeda(2025年6月14日オープン)に所属。
